靴底感覚

――竹内幸哉の研究日誌――

「機能的な寛容さ」と漸進的な「脱中心化」 【過去ログ整理】2018.11.26

村上陽一郎は、個人がノモス的なものに完全に適応しきれないこと、ときにはみ出したり反発したりすること、そうした個人のあり方を「機能的な寛容さ」と言っている。

この機能的な寛容さがあるからこそ、異文化の他者を理解したりできるし、メタな次元からノモスを批判したりできるわけで、これは人間が環境に過剰適応しないための生存戦略なんじゃないかと思える。だって環境はあるとき突然、劇的に変わるから。とくに今のようなVUCAな時代だと。

ピアジェ的な心理学用語で言い直せば、漸進的に脱中心化をはかることができるようになるという人間の成長過程は他者への共感を広げていく過程であり、言い換えればそれは「寛容さ」の拡張であろう。

@yukylab 午後5:40 · 2018年11月26日