2022-11-06から1日間の記事一覧
言語を伝達手段としてのみ考える場合が多いけど、言語には世界を創る側面があり、そっちの方がはるかに重要だと思う。いわゆる伝達の手段としての言語と区別して「世界制作語」「世界構築語」あるいは「自分世界語」というネーミングをしたらどうかと思って…
三つの元号を生きることになる自分について、ちょっとした驚きを記したところ、93歳から30歳までみんな三元号だと笑われたのだが、そんな知識を披瀝されたところで困ってしまう。なぜなら、大事なのは僕の感じたことを言語化することだからだ。 出身地や居住…
シェア精神という研究者の良質な倫理観 学者の世界が面白いのは、非常に権威主義的側面がある一方で、フェアプレイでいこうとする良質な倫理観が活きているところ。教育関係者や研究者と接していていつも感じるが、基本的に何でも無償でシェアして社会や共同…
メルロ=ポンティとレヴィナス。前者の「間身体性」概念から、他者との親和性や信頼関係の構築への希望を、後者の「他者」概念から、他者との絶対的隔絶性や他者への畏れを、僕は学んだように思う。 教育の矛盾は詰まるところ、絶対的に隔絶されている異他的…
ポストフォーディズム的な労働環境を生きているという俯瞰的視座をもつと、一日中動員されているんだなと実感が湧く。だがこれに抵抗する術はあるのか? 精神の自由な領域を確保して自己の固有性を生きるためには、まずは時間が必要である。思考の自律性のた…
技に溺れる 技に溺れるというか、策を弄するというか、そういう事象を教育現場でもそこここで見聞きするようになってきた。盛り上がるワークやインスタ映えする教室風景など表面的結果だけ見て満足してはいけない。技法の切れ味の魅力に取り憑かれて、何でも…
最近考えているのは、ブルデューの文化的再生産概念。支配的な階級の文化が学校教育を通じて再生産されるという面と、それに対する抵抗文化が生じるという二面性があるとして、入試というのは有無を言わせずに支配階級の文化を正解とする世界だということは…
「ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏に飛び立つ」と言われる。この「黄昏」が古い時代の終わる前に新しい時代に先駆ける哲学の意なのか、現代が終わろうとするとき時代を俯瞰、総括してその意味を問う哲学なのかは、意見が分かれるところかもしれない。 ただ現在…
昨日、今日は予備校での2学期最終講義。いま学んでいる教材が、学問・社会・人生とどうつながるかを考えることが予備校でのキャリア教育になるのかな……などと今まで考えてもみなかったことをつらつらと考える。 昨日扱ったのは黒井千次の小説。70歳の男性が…
村上陽一郎は、個人がノモス的なものに完全に適応しきれないこと、ときにはみ出したり反発したりすること、そうした個人のあり方を「機能的な寛容さ」と言っている。 この機能的な寛容さがあるからこそ、異文化の他者を理解したりできるし、メタな次元からノ…
『西郷どん』で、不平不満の山積する鹿児島の士族を鎮めるため、西郷は学校創建に乗り出す。これを見ていて思ったことは、教えるという立場に立つことを経験するということは自尊感情を傷つけない、いや高めるためにとても意味のあることかと。 ここからは『…
「教育の情報化」が言われて久しいけれど、教育がICT化すればするほど、本当に大事なのは「教育の哲学化」であるということになるはず。理念的なところをしっかり議論する場を作ることが大事だと思う。 「VUCAの時代」=Volatility(変動性)・Uncertainty(不…
言語活動の充実について。ALを通じて生徒の言語活動を充実させよ、とよく言われる。けれども、充実させるべきは教員の言語活動ではないか。という話。教員の言語活動には社会的尺度をそのまま再生産するだけの評価をする者も多い。 たとえば、生徒Aは部活動…
「敎育哲学」や「学習科学」はあっても、おそらく「学習哲学」という名の学問領域はいまだないのではないか。学習者中心思想の重要性が言われ久しいのだから、学習に関する(科学に限定されない)探究の場があってもいいのではないか。 一昨日、昨日と敎育工学…
録りためていた「100分de名著」、今回は折口信夫『古代研究』。常世からのまれびとをもてなすことに日本文化の発生を見るという思想は、言葉と音楽の起源を考える上でたいへん興味深かった。世界に類例はないのか? @yukylab 午前2:40 · 2022年11月6日