靴底感覚

――竹内幸哉の研究日誌――

学歴社会から学習歴社会へ ―学びつつ教えることの常態化― 【過去ログ整理】2021.03.29

今日はELFでClubhouseを開きました。
で、次のような結論に。学歴社会から学習歴社会へと移行する未来は、属人的な学びがふつうになる。と同時に学ぶ人/教える人を分ける意味が失われる。人はみな学びつつ教えることを常態化するようになる。それが経歴になる。
考えてみれば、研究と教育の一致という大学教員の理念もまた、学びつつ教えるという原点を示している。
太古から、ずっと人はそうして学んできた。ところが近代の産業社会と国民国家が学校という制度を生み出し、教えることを生業とする教師とその教師から一斉授業を受ける生徒を生み出した。それは近代社会の特異現象のひとつである。
ただし、学習には個別最適化という面と協働性/共同性という面がある。学び合う者が互いに緩やかにコミュニティをつくる必要はたしかにあり、その意味での学校は必要である(現在の学校とは大きく異なったものになるだろうが)。
もう一点。高等教育で専門的な教育が進めば進むほど、むしろ教養教育が必要になる。高度教養教育である。このプログラムがどうあるべきかは多面的に検討される余地があるかと思う。そんな話をClubhouseでした。

@yukylab 午後11:41 · 2021年3月29日

*ELF=「Enjoy Learning Forum 東北」という教育の実践的研究会。竹内が世話人を務める。